カープ高橋大樹、龍谷大平安時代から今のバッティングフォームはどう変化した?
高校時代の高橋大樹選手、高校時代は豪快な打撃スタイルが持ち味だった
広島東洋カープの高橋大樹(龍谷大平安出身・6年目)が懸命のアピールを続けている。
2月12日、紅白戦で豪快なホームラン。そのまま一軍合流すると、2月18日、中日ドラゴンズとの練習試合でも右中間へ適時三塁打を放ち、存在感を示している。
高橋は鈴木誠也と同じ、2012年ドラフト組。高校時代の実績も、ドラフトの順位も高橋が上だった。
龍谷大平安時代からスラッガーとして注目された高橋は、2年夏に初めて甲子園出場を果たすと、新湊戦でレフトスタンドへの特大弾を放った。二度目の甲子園となった3年夏の甲子園では2試合で10打数4安打の活躍。甲子園後、大谷翔平、藤浪晋太郎とともに、U-18世界野球選手権に出場。木製バットを使用するこの大会で、高橋は日本代表トップとなる打率.455(22打数10安打)、長打率と出塁率を足したOPSでは驚異の1.174を記録し、プロのスカウトの評価を大きく上げた。秋に行われたドラフト会議で広島東洋カープに1位指名を受け、プロの扉を切り開く。
将来のスラッガー候補として期待された高橋は1年目からファームで61試合に出場。2年目はファームで1年目の2本塁打を大きく上回る11本塁打を放ち、一軍昇格も果たしたが、6打数0安打に終わり、一軍出場は2年目の出場が最後となっている。
同期入団の鈴木が主力選手として活躍を見せる中、悔しい思いがあっただろう。高橋は高校時代と比べて打撃スタイルを変更した。それはバックスイングに入ったときの動作だ。高校時代の高橋の打撃フォームを見ると、左足を上げてから、バットを頭の後ろまで大きく引いている。
現在の高橋は、バットを持つ両腕を見るとあまり引かず、耳の後ろ付近まで引くイメージだ。どちらの方がインパクトに入りやすいかといえば、後者の方である。高校時代のフォームは大きく反動を使った力で打球を飛ばしていたが、動きにロスがあり、速球投手に対して振り遅れしやすかった。高橋はプロ6年間で、動作の無駄を省いていきながら、今のフォームを築き上げたのだ。表現すれば、高校時代の高橋は「振り幅が大きく強いスイング」だったが、今では「コンパクト且つ強いスイング」を実現しているのだ。
高いレベルに適応しようと試行錯誤を続けた高橋の打撃は参考になるものがある。この好調を持続し、開幕一軍へ実現することができるか?勝負の6年目は飛躍のシーズンとしたい。