Interview

実力と胆力を身に付けた野間翔一郎(山口東シニア)が目指す最高峰の道

2019.01.21

 第46回日本リトルシニア日本選手権大会で、準優勝に輝いた山口東リトルシニア。そんな強豪チームの、切り込み隊長を務めたのが野間翔一郎選手だ。走攻守すべてにおいて、中学野球トップレベルの実力を持っており、リトルシニア日本選手権大会では獅子奮迅の大活躍を見せた。
 今回は、そんな野間選手に独占インタビューを行い、2年5カ月の中学野球で歩んできた道のりや、今春からスタートする高校野球生活について語っていただいた。

スター性あふれるプレースタイルは自主練習の中で培われた

実力と胆力を身に付けた野間翔一郎(山口東シニア)が目指す最高峰の道 | 高校野球ドットコム
野間翔一郎(山口東シニア)

 山口東リトルシニアではトップバッターを務めていた野間選手だが、そのスペックは驚くべきものだ。中学通算本塁打は20本に達し、50メートルは6秒を切る。また守備範囲も広く、ここぞという場面では強肩も見せつける。
 まさに、走攻守すべてにおいて中学野球トップレベルといえる野間選手だが、その姿を見れば見るほど一人のプロ野球選手の姿を彷彿とさせてしまう。

 2018年のドラフト会議で3球団の強豪の末、千葉ロッテマリーンズへの入団が決まった藤原恭大選手だ。細身で筋肉質な体型に加えて、左投げ左打ちという点も同じ。プレースタイルも、まるで線でなぞったかのように似ており、早くも「藤原二世」と称したくなる選手だ。
 そして野間選手自身も、誰よりも藤原選手のプレースタイルを意識している。

 「理想とする選手は藤原恭大選手です。高校でも藤原選手のようなプレーをしたいです。50メートルももっと速くなって、打率も4割、5割打てる選手になり、塁に出たら必ず盗塁するような選手になりたいですね」

 そんな野間選手は、一風変わった環境の中で育った。山口東リトルシニアは、平日のほとんどの練習が自主練習となっている。選手が自らの課題を考え、自分で練習メニューを組んで実行していくことによって、自律心を養いながら技術の習得に努めているのだ。

 「山口東シニアの練習は、自分のやりたい練習ができます。自分にはそれが良かったと思っています。入った時は体も小さくて細かったのですが、トレーニングなどを続けてることで体が大きくなりました」

 普段からの自主的な練習により、自らの課題と向き合い、地道なトレーニングを続けた野間選手。スター性あふれるプレースタイルも、こうした環境の中から生まれていったのだ。

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野球選手として最高峰の目標を掲げる

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左から三奈木亜星、野間翔一郎、前田健伸、瀬尾秀太(山口東リトルシニア))

 野間選手には、忘れることができない試合がある。リトルシニア日本選手権大会2回戦の八王子リトルシニアとの試合だ。

 「八王子シニアとの試合は、1回表に2点を先制されました。試合のムードが完全に相手にいってしまった中で、1回裏に先頭打者の自分が空気を変えるホームランを打つことができました。そういうバッティングが出来るようになったところは、成長できたところかなと思います」

 この試合で勢いづいた山口東リトルシニアは、そのまま一気に決勝まで駆け上がり、決勝では惜しくも静岡裾野リトルシニアに敗れたものの、準優勝というタイトルを手にすることが出来たのだ。野間選手は、決勝進出の立役者の一人といっても過言ではない。

 そんな野間選手も、今春からは高校野球の世界へと舞台を移す。甲子園優勝の経験もある、関西の強豪校へと進学予定の野間選手は、高校野球で活躍することを常に意識してここまで練習を積んできたと語る。

 「高校野球は硬球を使うので、中学のうちから硬球を使いたいと思って山口東シニアを選びました。高校野球も、レベルの高い環境にいれば自分も高いレベルに行けると思い、進学を決めました。チームの中で切磋琢磨していきたいと思っています」

 最終的には高卒でプロ入りし、日本で経験を積んだ後にメジャーリーグへと挑戦したいと語る野間選手。最後に、これから始まる高校野球に向けて意気込みを伺った。

 「高校でも1番の役割をやっていきたいですね。まずは、入学してなるべく早くベンチに入って、甲子園に出て優勝して、侍ジャパンに選ばれて世界一を取りたいです」

 野間選手は、見事なまでに迷いのない口調で、野球選手として最高峰と言える目標を言い上げた。野間選手は、思考を現実化させるだけの実力と胆力を明らかに兼ね備えている。高校野球での活躍も当然追いかけていく。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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