野球の経験は必ず将来に結びつく、「社長メシ」を人気サービスに成長させた佐々木拓己社長( 株式会社ユナイテッドウィル)の言葉
野球部出身の社長へ高校野球ドットコムがインタビューを行っていく、新連載がスタート!
野球部出身の社長が、野球を通して学んでほしいこと、野球が今に繋がっていること、そして野球の経験を未来にどのように活かしていけばいいか、しっかりとお届けしていきます!
第1回は、学生と社長を直接繋げるマッチングアプリサービス「社長メシ」を展開する、株式会社ユナイテッドウィルの佐々木拓己社長にインタビューを行いました。
高校生時代青森県の八戸で3年間野球に打ち込んだ佐々木社長は、経営者となった現在でも高校野球 から得た経験は非常に大きなものであったと振り返ります。 そう語る背景に迫っていきます。
「社長メシ」が人気のサービスに
株式会社ユナイテッドウィルの佐々木拓己社長
2010年に設立した株式会社ユナイテッドウィルは、就職活動サイトの「Career Trip」や学生と社長と直接繋げるマッチングアプリサービス「社長メシ」などを展開する、人材サービス企業だ。
中でも、学生と社長を直接繋げるマッチングアプリサービス「社長メシ」は、熱量の高い学生からの高い支持を得ており、人気のサービスに成長した。
学生は会いたい社長に自己PR文を送り、社長はそれを確認して会いたい学生を選ぶ。 食事会は5~6名で開催し、飲食代は社長が全額支払うことになっており、学生は社長に直接質問したり、アドバイスをもらったりすることができるサービスだ。
「学生はスマートフォンを見ながら、どんな社長がいるんだろうと探して、そこで興味を持てばご飯を食べながら話を聞くことができます。企業さんにとっても、社長が直接想いを伝えることでミスマッチがなくなりますし、採用コストもこれまでより安くなります。そうした観点から社長メシは生まれました」
サービスについて語る佐々木拓己社長
「社長メシ」を人気のサービスに成長させた佐々木社長だが、その高いバイタリティの礎の一つとなっているのが、高校野球の経験だ。 佐々木社長は、八戸での高校野球生活を次のように振り返る。
「僕らの時代は、練習中水を飲まないことや、罰としての正座や連帯責任が当たり前の時代でした。何かあるとずっと三日間ずっと球拾いとか、全員でグランド何周とか。今ではいい思い出でしかないですけどね」
だが、そうした経験は社会人になった時に、大きく活かされた。高校卒業後に上京し、フリーター生活を送った後に携帯の販売会社に就職した佐々木社長は、会社の上司を部活に置き換えると、監督やコーチにあたることを感じた。そこから佐々木社長は高校時代と同様に、与えられたミッションを全力で遂行することを常に意識したと語る。
「とりあえず結果を残すまでは、言われたことをやる。その中で、自分で合ったことを探しながら、会社から与えられたミッションを遂行することを考えていました。 仕事も野球と同じで、壁を乗り越えない限り次はありませんから」
[page_break:野球の経験は必ず将来に結びつく]野球の経験は必ず将来に結びつく
株式会社ユナイテッドウィルは急成長中の人材サービス企業だ
野球で培った強いバイタリティを土台に、会社から与えられたミッションに真正面から向き合ってきた佐々木社長は、入社から1年で見事トップセールスを達成。その後は管理職や執行役員の役職を経験し、32歳の時に株式会社ユナイテッドウィルを設立したのだ。
「初めはITエンジニアの人材派遣からスタートし、その中で『Career Trip』や『社長メシ』 といったサービスも始めていきました。 人材関連は全くやっていませんでしたが、たまたま自分の周りの経営者の方がそういった領域をされていて、アドバイスをいただいたのがきっかけですね」
こうして2010年12月に設立した株式会社ユナイテッドウィルは、地道な営業活動でここまで順調に成長を続けてきた。現在では社員数も30名まで増え、「社長メシ」は多くのメディアでも取り上げられるまでに成長。恵比寿にあるオフィスビルの屋上に設置された「社長メシ」の看板は、今や恵比寿の名物の一つにもなっている。
経営者として多忙な毎日を送る佐々木社長であるが、そんな現在でも一野球ファンとして野球への関わりは持ち続けている。
「筋トレは今でも週に1、2回くらいは通っていますし、週末には草野球にもいっていま す。 先日は、野球部出身の経営者の飲み会にも参加したのですが、やっぱり共通の話題で盛り上がれるのはいいですね。野球部独特の雰囲気があって、すごい仲良くなりましたね」
現在も筋トレを行うと話す佐々木拓己社長
また2019年8月17日には、プロ野球球団の「オリックス・バファローズ」とコラボして、前代未聞のプロ野球観戦型の就活イベントも開催することが決まった。
当日は、京セラドーム大阪内に就活ブースが出展され、学生は試合の観戦中や観戦後に、就活に役立つ情報を得ることができる、今までにない新感覚の就活イベントを開催するのだ。当日は、最大3,000名の学生が京セラドーム大阪に集まる予定となっている。
野球部の経験を土台に実績を積み上げ、経営者としても会社を成長させ続けている佐々木社長。そんな佐々木社長から最後に高校球児に向けてメッセージを頂いた。
「いかに野球を楽しむかが大事だと思います。皆さんも好きで野球をやっていると思います。確かに大変な練習やレギュラーになれない辛いことなど、色々なことがあると思います。
でも今やっていることは必ず将来に結びつくはずです。一生懸命打ち込むものは、その時その時で変わってくると思いますが、まずは今目の前にある、楽しめていることを一生懸命やって欲しいなと思います」
野球を通じて、多くの成功体験を重ねてきた佐々木社長だからこそ、その言葉には重みがある。球児の皆さんもまずは、今打ち込んでいる野球に一生懸命になってみてはどうだろうか。
文=栗崎 祐太朗