日本ハムは上沢直之(専大松戸出身)などドラフト中位・下位指名の投手が毎年戦力に
上沢直之(専大松戸出身)
昨年の6月、試合中に打球が左ひざに直撃したことで骨折し長期離脱していた上沢直之(専大松戸出身)が、着々と復帰へ向けて準備を進めている。
当初は6月までに復帰するプランだったが、春季キャンプ序盤にブルペンに入ると予想以上のペースで回復。3月27日には離脱後初めて打撃投手として、打者に向かっての投球を行った。
新型コロナウイルスの影響で開幕が4月24日以降となったこともあり、開幕ローテーションに入ることもありえそうだ。有原航平(広島広陵出身)に同じく復帰を目指しているニック・マルティネスそして上沢の3枚が万全なら、Aクラス入りも現実的になってくる。
そんな上沢は2011年ドラフト6位で日本ハムから指名を受け入団。今年が9年目のシーズンとなる。専大松戸高校時代は甲子園出場もなく、目立った存在ではなかった。それは6位という順位からもよくわかる。
いわば原石を磨き上げエース格へと育て上げたのである。投手に関してみると、日本ハムはダルビッシュ有(東北出身/2004年1巡)や大谷翔平(花巻東出身/2011年1位)といったドラフト1位の金の卵をモノにするだけでなく、中位・下位指名の選手もしっかりと育成しているのである。
それは高校生にとどまらない。武田勝(関東一 -立正大-シダックス/2005年大社4巡)や谷元圭介(稲生-中部大-バイタルネット/2008年7位)、増井浩俊(静岡-駒沢大-東芝/2009年5位)、高梨裕稔(土気-山梨学院大/2013年4位)、石川直也(山形中央出身/2014年4位)と大学生、社会人含め毎年のように戦力に変えてきた。
ドラフト1位の金の卵だけでなく、中位・下位で指名された原石を育て上げることが中長期的な強さを維持する秘訣だろう。育成選手を多く獲得しているソフトバンクと規模は違うものの、通じる部分がある。
そんな日本ハムは2018年のドラフト会議から育成選手の指名を開始した。育成ドラフトで指名した選手も育て上げることができれば、さらに好循環が生まれることは間違いない。
現時点で支配下登録を勝ち取った選手は不在ではあるものの、昨年の育成ドラフト3位で指名された長谷川凌汰(福井商出身)がオープン戦と練習試合で好投を続けている。
開幕までに長谷川は支配下登録を勝ち取り、成功モデルとなれるだろうか。日本ハムの投手はドラフト1位をはじめとした上位指名だけでなく、中位・下位指名、そして育成選手からも目が離せない。
記事=勝田 聡
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