ミレニアム世代の星・藤原恭大がレギュラー完全奪取へ、猛烈アピール
藤原 恭大(大阪桐蔭出身)
東京オリンピックによる中断期間に行われているエキシビションマッチでは、各球団とも若手選手を起用しチーム内の競争を促している。東京オリンピックに出場する選手はもちろん不在。帰国する外国人選手もおり、日本人の主力選手も全試合フル出場するわけではない。一時的に空席となったそのアピール合戦が繰り広げられている。
その与えられたチャンスの中で結果を出しているひとりが藤原 恭大(ロッテ)だ。
藤原は7月27日から始まった阪神とのエキシビションマッチに2試合連続スタメン出場し、両試合で安打をマーク。2試合目では本塁打を含むマルチ安打を記録し、定位置獲りへ向けて井口 資仁監督ら首脳陣に向けて大きなアピールを行った。
大阪桐蔭出身で高卒3年目となる藤原は、今シーズン開幕スタメンを勝ち取ったものの、結果を出すことができず4月22日に登録を抹消された。およそ2ヶ月半の二軍生活を経て7月3日に一軍へ復帰すると「2番・中堅」に定着する。
一軍復帰からオールスターゲームまでの9試合に出場し、そのうち8試合で安打を放つ活躍。8試合の中で複数安打を放った試合が4試合あり、猛打賞も2試合と波に乗ってきた。4月の登録抹消時に1割6分1厘だった打率も2割5分3厘まで上げてきた。また盗塁も4つ成功(1盗塁死)させ、足でもアピールしている。さらには守備でもチームを救うビッグプレーを何度も披露。まさに走攻守揃った働きを見せた。
とはいえ外野のレギュラーを完全に掴んだわけではない。外野には荻野 貴司に角中 勝也、そしてマーティンとライバルは複数いる。マーティンと角中が指名打者に入ることで4人同時に出場していることも多い。しかし、後半戦で確固たるレギュラーの座を掴むためにも、このエキシビションマッチでさらなる結果が欲しいところだろう。
平成以降のロッテのレギュラー陣を見ると、高卒野手のレギュラーは内野手に多い。内野手では福浦 和也(習志野)、今江 敏晃(PL学園)、西岡 剛(大阪桐蔭)とチームを支えた選手が複数いる。一方、外野手で確固たるレギュラーとなったのは、サブロー(PL学園)ただひとりだけ。外野手は大卒や社会人、独立リーグ出身、そして外国人選手で戦ってきた。
藤原はサブロー以来となる高卒出身による外野のレギュラー奪取となるだろうか。エキシビションマッチの動向に注目したい。
<今シーズン成績>
藤原 恭大(ロッテ)
31試合 打率.253(91打数23安打) 2本塁打 9打点 5盗塁
(記事:勝田 聡)