大谷翔平、藤浪晋太郎。12年センバツは世代屈指の剛腕が初日で対決
上段左から藤浪晋太郎、大谷翔平・下段左から前田悠伍、佐々木麟太郎
2012年センバツに出場し、のちに高卒ドラフト1位となったのは、阪神・藤浪晋太郎投手(大阪桐蔭出身)とエンゼルス・大谷翔平投手(花巻東出身)の2人だ。
2012年の年明けから世代を代表する大型右腕として注目されていた。藤浪擁する大阪桐蔭(大阪)は、前年の11年秋季近畿大会でベスト8、花巻東(岩手)は11年の秋季東北大会でベスト4入りを果たした。
大阪桐蔭は近畿ベスト8ながら評価が高く、順当に選出。さらに、花巻東も神宮枠の増枠によって3枠目として選出された。
3月15日の抽選会は大いに沸いた。いきなり大会初日の21日に、2人の対決が決まったのだ。当日は2万7000人の大観衆が見守る中、対決が行われ、大谷が藤浪から先制本塁打を放ったものの、後半に打ち込まれ、9失点。藤浪は2失点に抑え、12奪三振完投勝利を収めた。
その後、藤浪は勝ち続け、センバツ優勝投手となった。初戦敗退を喫した大谷については、バッテリーを組んでいた佐々木 隆貴捕手が「あんなに悪かった大谷は初めて」と振り返るぐらいの乱調ぶり。しかし、そこから投球の内容にこだわって、徐々に復調。大谷は夏に160キロをマークした。
秋のドラフトでは藤浪は阪神が交渉権を手にし、大谷はメジャー行きを表明していたが、1位指名した日本ハムが翻意をさせ、入団が決まった。
あれからちょうど10年。両チームには投打で世代を代表する選手がいる。花巻東には高校通算50本塁打のスラッガー佐々木 麟太郎内野手(1年)。大阪桐蔭には最速145キロ左腕・前田 悠伍投手(1年)。それぞれが先輩に続く将来のスターを目指している。
(記事:河嶋 宗一)