八王子vs早大学院
八王子7回の集中打でコールド勝ち
八王子には横森 拓也、早大学院には柴田 迅という好投手を擁するチーム同士の対戦。しかし5月に早大学院の木田 茂監督に話を聞いた時、柴田の肩の状態が良くないことを語っていた。
その影響もあるのか、早大学院のこの日の先発は、シンカーなど変化球が多彩な齊藤 慶であった。齊藤は2回表に3四球を出したものの、併殺などで切り抜けた。
しかし3回表につかまる。この回八王子の先頭打者は、9番で、この試合先発の横森。横森は左中間を破る二塁打で出塁し、3番石井 雄也の中前安打で生還。俊足の石井は二盗し、4番佐々木 翼の右前安打で生還。この回2点を挙げる。そしてこの回の途中から、早大学院は、齊藤に代わり柴田が登板した。
柴田は四死球が多く、今一つピリッとしない。そして5回表、早大学院に信じられないミスが出る。
一死後、6番佐久本 凪が四球で出塁し、7番竹中 裕貴の投ゴロの間に二塁に。竹中は投手から一塁手に送球されアウトになったが、あろうことか、一塁手は投手にボールを戻す時に暴投。ボールは外野に転がり、佐久本は生還した。魔が差したようなこのプレーは痛かった。
早大学院は6回裏に小菅 弘暉の左前安打に、横森のボーク、暴投、遊撃手の失策などが重なり1点を返したが、反撃もここまでだった。
7回表八王子は、西谷、重松秀の二塁打など4安打、5四死球で一気に6点を入れて、勝負が決まった。早大学院のコールド負けが決定的となったこの回、二死になったところで、秋まではエースであった嵯峨 悠希が登板した。秋季都大会では、二松学舎大付と延長15回の熱戦(試合レポート)を演じた嵯峨だったが、その後調子を崩していた。嵯峨は佐々木を右飛に仕留めた。たった3球の登板であったが、熱いものを感じる投球であった。
早大学院打線は横森のスライダーをうまく攻略できず、結局9対1の7回コールドで八王子が勝利した。
八王子は投打ともに好調。早稲田実との試合は、準々決勝最高のカードになりそうだ。
一方敗れた早大学院には、エースの故障など、力を出し切れなかった悔しさがあるだろう。それでもエースの柴田は2年生で捕手の浦野 聖弥は1年生だ。まずは故障を完全に治し、来年以降の活躍を期待したい。
(文=大島裕史)
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