Interview

千葉ロッテマリーンズ 清田 育宏選手【後編】「トレーニング後に、さらにやり切れるかが成功の分かれ目」

2015.12.18

 後編では清田選手から飛躍につながった思考の変化、トレーニングに取り組む上で大切な考えを教えていただきました。

飛躍につながった思考の変化

清田 育宏選手(千葉ロッテマリーンズ)

 その結果が、プロ入り6年目の今シーズンの活躍につながった。
結果を残すことができた要因をシーズンが終わって改めて振り返った時、1年間通してバテずに戦えたフィジカル。調子を落としてもすぐに切り替えることが出来たマインド。そして、もう1つ――

「僕の中では“考え方”が大きかったかなと思います。4月はあまり試合に出られていなかったんですけど、その4月の間に、ベンチから色々な選手のプレーを見たり、ビデオで自分の目標としている選手や良いなと思う選手の映像を見たり。
実際にバッティング練習の時間でも、インプットした情報を大切にして、色々と試しながら出来たのが、今年の成績につながったのかなと思います。

 今年は初めて自分の納得いく形でシーズンを終えることが出来たんですけど良かった分、来年は自分にもプレッシャーがかかると思いますし、やらなきゃいけないと思います。今シーズン以上の成績を残すのはもちろん、チームが勝てるようなバッティングも、守備も走塁も出来るような選手になりたいです」

 最後に、冬のトレーニングに打ち込む球児のみなさんに向けて、清田選手からメッセージをいただいた。

「僕は市立柏高時代は、あまりウエイトトレーニングをやってこなくて、ウエイトばかりやっても野球は上手くならないと思っているんですけど、やっぱり重たいものをガツガツやるよりは、まずは瞬発系の種目をやって身体のキレを出すというところを重点的にやるのが良いと思うんです。
というのも、ウエイトをいくらやっても体が大きくならない選手もいると思うので、そういう選手が、むやみに重たいものを持ってトレーニングをするとケガにもつながりますし、そこは選手それぞれ、取り組むトレーニングは違うかなと思うんです」

 また、清田選手が取り組んでいる上半身トレーニングは一部紹介したが、下半身のトレーニングについては、こう話す。

このページのトップへ

[page_break:負荷の重いものすべてがパフォーマンスアップにつながるわけではない]

負荷の重いものすべてがパフォーマンスアップにつながるわけではない

清田 育宏選手(千葉ロッテマリーンズ)

「僕は歩くだけでも下半身は鍛えられると思っているので、ウエイトでは特に取り入れていないんですけど、高校生はお尻の小さい選手や、身体の細い選手もいると思うので、そういう選手はスクワットがオススメです。
下半身を鍛えるのは野球にとって、大切なことだと思うので、そこはガツガツやってもいいかなと思いますね。ただ、下半身をいじめた後にも、しっかりダッシュメニューは入れておいてほしいです。

 せっかく足の速い子が、その時下半身を鍛えたことで、足が遅くなるということもあると思うので、鍛えたら必ず20メートルとか、30メートルで良いのでダッシュは取り入れてほしいです。

 例えば、1キロくらいの重たいバットを持って振ると、腕の力は付くんですけど、その後自分のバットを持って振った時、スイングは遅くなる。体が、重たいバットを振っていることに慣れてしまって、その形でしか振れなくなるんです。スイングを速くしたいのであれば、ノックバットみたいな軽いバットで振るのが良いです。

 足の速さも一緒で、足を速くしたいのであれば、坂道を駆け上がるよりも、下った方が速くなる。坂道を上がると、負荷はかかるんですけどスピードは出ないんですよね。そのスピードに慣れてしまうと、平坦なところで走るとやっぱりスピードは遅くなってしまうんです。
負荷をかけることは大切なんですけど、負荷をかけるトレーニングをした後に、自分のバットを思い切り振るとか、自分の形で走るとか、そういう動きが重要になってくると思うので、ぜひ取り組んでみてほしいです」

 ウエイトトレーニングは、メニューを終えると「やり切った感」が出てくるが、清田は、そこに満足することなく「よし終わった。帰ろう!」ではなく「よし終わったぞ!あとはティーをやってから帰ろう!」そう思える選手になることで、よりトレーニングによって、成長できる選手になると教えてくれた。

 このオフの期間に、フィジカルもマインドも、そしてプレーヤーとしての「考え方」も含めて、2015年の自分を超えられる、“野球選手”を目指してみよう。

(取材・文/安田 未由


注目記事
・【12月特集】冬のトレーニングで生まれ変わる

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.07

滋賀大会では日野がサヨナラ勝ち、伊吹はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.06

高校生ドラフト期待度ランキング10位-1位 ドラフト上位有力“超高校級の逸材”の中から1位に輝いたのは…?【2024夏直前版】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!