試合レポート

浦和実vs川口青陵

2021.09.05

序盤苦戦も中盤以降突き放した浦和実業、コールドで初戦突破

浦和実vs川口青陵 | 高校野球ドットコム
佐川瞳磨(浦和実業)

 [stadium]川口市営球場[/stadium]の第1試合は、新人戦でよもやの初戦敗退を喫し地区予選ノーシードで臨む浦和実業と川口青陵との一戦である。この日雨が降っていたこともあり、試合は約一時間遅れで始まる。

 先発は浦和実業が右サイドの佐川 瞳磨(2年)、一方の川口青陵は1年生右腕の原口 柊哉が登板し試合が始まる。

 浦和実業・佐川はインステップで右サイドから投球するフォームが特徴の投手だ。一方の川口青陵・原口はオーソドックスな右腕だが、良い意味で腕の振りと球速に差異がある投手だ。

 先制したのは浦和実業であった。初回、川口青陵・原口の立ち上がりを攻め、一死から2番・八巻 勇輝(2年)がセンター前ヒットを放ち出塁すると、すぐさま二盗を決める。続く青山 澪羅(2年)も四球を選び一死一、二塁とすると、二死後、5番・高畑 幸叶(2年)のショートゴロをショートが後逸(記録はヒット)し、1点を先制する。

 浦和実業は2回裏にも一死から8番・佐川がショートゴロ送球エラーで二塁へ進み一死二塁とすると、二死後1番・神尾 翔斗(2年)がセカンド強襲のタイムリーを放ち2対0とする。

 浦和実業はさらに3回、4回にも一死満塁のチャンスを得るが後続が倒れ得点が奪えず、そのままズルズルと2対0のまま試合が進む。浦和実業打線はノラリクラリと投げる川口青陵・原口の術中に嵌り試合前半を終える。

 6回を迎え、川口青陵ベンチが動く。
「浦実打線が4巡目を迎えたことと、原口は今日少し出来過ぎだったので」(橋本監督)
ということで、先発・原口を諦め、あくまで攻めの継投ということで6回から2番手・渡部 裕太(1年)へスイッチする。


 だが、皮肉にもこの継投を機に4巡目ということも相まって浦和実打線が6回裏一気に目を覚ます。

 浦和実業は6回裏、一死から1番・神尾が左中間へ二塁打を放ち出塁すると、続く八巻もライト前ヒットを放ち一死一、三塁とする。さらに、一走・八巻はすぐさま二盗を決めチャンスを広げると、3番・青山がセンター前へ2点タイムリーを放ち4点差をつける。これで勢いに乗った浦和実業は、続く武井 智弘(2年)の所で一走・青山が二盗を決めると、武井も期待に応えライト前タイムリーを放つ。5番・高畑も四球を選び一死一、二塁としチャンスを広げ川口青陵・渡辺をマウンドから引きずり降ろす。

 代わった川口青陵の3番手、エースの星 悠斗(2年)に対しても浦和実業打線は攻撃の手を緩めず、6番・櫻井 翼(1年)が右中間へ2点タイムリー三塁打を放ちコールドペースへ持ち込むと、二死後、9番・荒木 樹希也(2年)も二死二、三塁からセーフティーバントを決める。結局この回一挙6点を奪うビックイニングとし、8点差をつけ試合の大勢は決した。

 投げては浦和実業・佐川が6回3安打無失点の好投を見せると、最終回は岩崎 魁己(2年)が無失点で切り抜ける。

 終わってみれば、浦和実業が7回コールド8対0で勝利し初戦を突破した。

 まずは川口青陵だが、中盤までは接戦を演じあわやの状況は作ったが、この日は3回表の一死一、三塁、7回表の無死一、二塁で共に併殺に倒れるなど、如何せんこの日は打線のつながりを欠いた。秋以降は打線の強化が必須となるであろう。

 一方の浦和実業だが、現状は怪我等で出遅れている主力が多くオーダーを組むのに四苦八苦している。この日登板のなかったエース佐々木 潤也(2年)もフォーム改造に苦戦しているそうで、どのフォームが自分にとってベストか試行錯誤している状況だそうだ。その影響もあり、新人戦では武南に敗れたが、地区予選次の相手はその武南だ。さすがに試合巧者の浦和実業が短いスパンでの再戦で新人戦と同じような結果になることは考えづらい。

「次は打つよ」
と辻川監督も言っていたが、新人戦のリベンジなるか。

(文=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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