第85回選抜の選考を振り返る【北海道、東北 編】
地区 | 高校名 | 都道府県 | 出場回数 |
---|---|---|---|
北海道/東北 | 北照 | 北海道 | 2年連続5回目 |
仙台育英 | 宮城 | 6年ぶり10回目 | |
聖光学院 | 福島 | 2年連続4回目 | |
盛岡大付 | 岩手 | 3年ぶり3回目 | |
山形中央 | 山形 | 3年ぶり2回目 |
北海道地区 出場枠1・候補校3
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北照バッテリー(12’秋季北海道大会)
補欠1位 駒大苫小牧
投手陣では右の吉尾洸介が軸。182センチの長身からの直球とカーブには角度があり、打者を抑える力は十分と評価した一方で、コントロールにやや不安が残った。守りは二遊間を中心によくまとまっており、攻撃は4試合10盗塁と機動力で攻めの野球を見せた。更に3試合逆転勝ちの粘り強さは見事と称賛され、攻守は北照と互角であるという見解が示された。
東北地区 出場枠4・候補校15(神宮大会枠、東北絆枠を含む)
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仙台育英ナイン(12’秋季東北大会)
■ 聖光学院(福島県)
1年生左腕の石井成は変化球を巧みに操り、コントロールも抜群で安定感を見せた。攻撃でも4番の園部聡を中心に切れ目がない。犠打を多用した確実な野球をするチームとして2番目に選ばれた。
■ 盛岡大附(岩手県)
投打のバランスの良さが神宮大会枠選出の決め手となった。1年生右腕の松本裕樹は140キロを超える直球を中心にリズムがあり大崩れが少ない。打つ方でも中心選手。打線全体でも切れ目が少なく、長打力もあって優れたチームと評価された。だた課題は少し弱さがみられた守備力で、相澤孝行地区別小委員長は「成長に期待したい」とエールを送った。
■ 山形中央(山形県)
守りが主体のチームだが、打線のしぶとさも目立った。エースの高橋凌平は、右サイドハンドからキレのある球を投げる。石川直也、高橋和希といったリリーフ投手も好投を見せた。攻撃は4番熊谷鴻志、5番今野翔太を中心に粘り強い。チームは3年前に21世紀枠で選出されて以来、着実に力をつけている。人間力を磨く教育や、ボランティア活動に力を入れており、地域からの信頼が厚いのも加味されて東北絆枠として選出された。
補欠1位 酒田南
補欠2位 光南
☆ピンポイント(解説=松倉雄太)
記念大会で特別に作られた『東北絆枠』について、発表された当初から主催者サイドは選考委員会での判断に委ねるという方針を示していた。
ただ、観点が解り難いということもあり、選考委員会総会後の記者会見では質問が集中した。説明に当たった相澤地区小委員長は、例年の一般枠を決める選考と違う難しい作業であったことを明かした上で、「東北絆枠は21世紀枠の性質とは一味違う。野球の実力を兼ね備えているのはもちろんではあるが、それ以外に東北全県の中からキラリと光る何かを持っているチームを選びたかった」と話した。
選ばれた山形中央は3年前に21世紀枠で選出されたチームで、その後も目覚ましい躍進と、地域に密着した学校を挙げての努力が継続されているという点がキラリと光るというポイントに合致した。そして、山形県が被災した太平洋側から多くの避難者を受け入れていることも大きな要素となったようだ。
相澤氏は、「岩手、宮城、福島の3県に絞るという意見もあったが、やはり東北全県で考えて行こうと意思を共有しました」と話す。
10人いれば10通り、100人なら100通りの色んな考えや意見があるが、3年前の21世紀枠出場から生まれた“絆”というのも一つの考え方のように、会見を通じて感じられた。