高校野球に未来はあるのか?
高校野球に未来はあるのか?
第99回全国高等学校野球選手権地方大会。昨日(4日)は、鹿児島大会で6試合が予定されていましたが、台風の影響で中止。今日(5日)に順延となりました。決勝は17日から18日に変更となっています。
さて、1990年に放送された第14回アメリカ横断ウルトラクイズで、司会の福留功男さんが番組のオープニングでこんなセリフを言っていました。
「21世紀最初のウルトラクイズは第25回大会です。それまでウルトラクイズはあるでしょうか?」
この言葉が何を意味していたかはわかりませんが、ウルトラクイズはその2年後の92年に16回大会でレギュラー放送を終了し、その後は98年に一度限りの復活をしただけでした。
なぜこのセリフのことを書いたのかというと、一昨日(3日)に日本高校野球連盟(高野連)から今年5月末現在の加盟校数と部員数の調査結果が発表されたニュースにリンクして考えてみたいからです。
硬式の部の加盟校数は昨年から25校減の3989校で、平成に入ってから初めて4000校を割りました。
部員数は昨年より6062人減の16万1573人で3年連続の減少となりました。高野連の資料によると、部員数が増加した都道府県は5(昨年14)、減少は42(昨年32)で、最も増加したのが徳島の79人、次いで岐阜の30人。最も減少したのが千葉の474人、次いで神奈川の451人、東京の429人。
部員数が最も多いのは、東京の1万0741人、次いで愛知8290人、神奈川7909人で最も少ないのは鳥取の961人となっています。
軟式の部は、加盟校数が昨年より13校減の436校。部員数は9303人で昨年に引き続き1万人を割りました。4年連続の減少です。
野球界全体として野球人口の減少に目を向けていかないのは当然ですが、気になるのはそれよりも出生数です。昨年(2016年)は初めて100万人を下回り、推計で98万1000人でした。今年はさらに4万人減になる見通しだというニュースも出ています。
今年の高校生は117万人から119万人の出生数があった世代です。しかし統計をみると、2005年生まれから出生数がガクンと少なくなっています。高校の先生からも、「既に小学校ではクラスがいくつも作れなくなる学校が出てきている」という声を聞きます。私の知人からは「2005年問題」という声も聞きました。
野球人口以前に子供の数が将来さらに少なくなることが予想されます。色んなスポーツがあるなかで、野球だけをやる選択をする子供たちがどれくらい残るでしょうか。
冒頭のアメリカ横断ウルトラクイズのセリフを高校野球に置き換えてみます。
「22世紀最初の夏の高校野球は、第183回大会です。それまで、高校野球はあるでしょうか?」
少し大げさがもしれませんが、硬式、軟式とも未来がどうなっているのか、22世紀に今の規模の高校野球を維持できているのかどうか???こうして書いてみると、気になるところなのではないでしょうか。
出生数(2016年のみ推計)
(文:松倉雄太)