千葉ロッテ・山口 航輝(明桜)が初打席二塁打から見えた技術面の進化
山口 航輝(千葉ロッテ-明桜)
2月1日から始まったプロ野球春季キャンプ。千葉ロッテでは紅白戦が行われたがそこで目立ったのがドラフト4位の高卒ルーキー・山口航輝(明桜出身)だった。9回、成田翔投手から二塁打を放ち、首脳陣にアピールした。
ドラフト1位・藤原恭大が多くの注目を浴びる中、山口は自慢のバッティングを見せた。
木製バットでも強引な押し込みをしてライバル・藤原の頭を超える二塁打。力強い打球だった。プロレベルの投手に対応ができたことに構えの変化がある。
高校時代の山口は重心が高い構えで、やや後ろ足でタイミングを取る傾向が強く、始動も遅く、バットの出も遅かった。球速が遅い投手に対しては外回りのスイングでボールを捉え、力強い打撃ができていたが、吉田輝星レベルになると対応ができなかった。それが今では重心を低くしてタイミングを取っている。以前よりも始動の仕掛けが速くなったことで構えの立ち遅れがなくなり、グリップが体に入りすぎることもなくなり、高めのストレートに対してしっかりと対応ができている。
成長の一端が見え、野手として生きるという気概が見えた打席でもあった。
野手としてスタートを切る山口だが、まだ投手として諦めていない。12月のファン向けの入団会見で、
「僕は大谷翔平さんを目標としています。まだ二刀流は諦めていないからです」
そしてこう語った。
「吉田と対戦したいです。絶対に打ちたいです」
と強く意気込んでいた。ライバルに打ち勝つためにキャンプまでじっくりと練習してきた様子がこの打席からうかがえる。これから実戦を重ねれば、新たな壁とぶつかるだろう。ただキャンプでの打席での工夫を見ると乗り越えられる選手だと信じている。石垣島キャンプを成長の場としたい。