平成唯一の三冠王・松中信彦氏 2020年から香川オリーブガイナーズ監督兼選手就任へ!
香川オリーブガイナーズGM兼総監督に加え監督兼選手を務めることも表明した松中 信彦(元福岡ソフトバンクホークス)
八代第一(現:秀岳館・熊本)から1996年・アトランタ五輪銀メダルも獲得した社会人・新日鐵君津(現:日本製鉄かずさマジック)を経て1996年ドラフト2位(逆指名)で福岡ダイエーボークス(現:福岡ソフトバンクホークス)に入団。
ホークスでは2004年に平成唯一の三冠王(打率.358・121打点・44本塁打)を獲得するなど19年間で打点王3回(2003~2005年)、首位打者1回(2004・2006年)、本塁打王2回(2004・2005年)、2006年第1回ワールド・ベースボール・クラシック優勝など通算1767安打・352本塁打。1168打点と燦然とした成績を残した松中 信彦氏の四国アイランドリーグplus・香川オリーブガイナーズGM兼総監督就任会見が2019年10月31日(木)香川県高松市の高松国際ホテルで行われた。
会の冒頭で香川オリーブガイナーズ球団株式会社・和泉 享氏から「松中さんは今年8月の福岡ソフトバンク3軍との試合イベントで来て頂いた時、選手たちに対してバットを持って指導して頂いたし、子どもたちに対しても親身になって教えて頂いて、野球に対する情熱・選手に対する熱い想いを感じた。もっと観客を増やしたいし、野球を広げていく中で来季目指すものがここにあると感じた」と松中氏に熱烈なオファーを出した経緯を説明。
このオファーを9月中に受け、松中氏が「引退して4年間経つ中で教えたことで結果が出る喜びを感じたし、野球に恩返したいと思っていたので」快諾したことでビッグサプライズが実現したものである。
なお、香川オリーブガイナーズと松中氏の契約期間は今年10月1日より1年間。「19年間、王貞治会長の下でいろいろな経験をさせてもらったので、指導者としてはじめてにはなるが、強い気持ちを持って目いっぱい走っていきたい」と意気込みを表明。「1つでも勉強しながらミスのないようにしていきたい」とまず2019年はGMとしてのトライアウトでの選手発掘、運営資金獲得などが中心に業務を遂行していくことを述べた。
その後にはもう1つのビッグサプライズが。松中氏は2020年2月からは自身の強い思いからGM・総監督と共に監督として指揮を執ることを表明。「最低限のルールを作り、スキを見せない当たり前のプレーを当たり前にする。そして自分の子どもがハンドボールをしていて気付いたのはワイワイやることも大事だということ。その中で意識を高めてプロ野球の2軍と戦えるようなレベルまでもっていくことが僕の使命だと思っている」と監督としての目標を話した。
さらに「選手たちへ伝えるにはグラウンドに入ってバッティング練習をして身体で示すことが大事。自分もキャンプインの気持ちで臨みたい。4年間ブランクがあるので慎重にしないといけないが、その上で夏場にチャンスがあれば」とルートインBCリーグ福島レッドホープス・岩村 明憲監督兼代表取締役(元MLBタンパベイ・レイズなど)の初年度のように、監督兼選手としてのプレーにも含みを持たせた。なお、背番号はWBC日本代表や福岡ソフトバンクホークスでおなじみの「3」に決まっている。
来季から四国アイランドリーグplusは選手兼任でのコーチ・監督業も認可される見込みのため、現役復帰も支障がない流れ。2020年は香川オリーブガイナーズのユニフォームを身にまとった松中 信彦監督の采配と共に、5年ぶりに左打席で躍動する姿が見られることを楽しみにしたい。
なお、会見前には同球団で13年間指揮を執った西田 真二前監督が退任会見を行い独立リーグの選手たちへの夢を陰ながらサポートすることと同時に「僕には次の夢がある。それはなにかはもう少し待ってほしい」と話している。
記事=寺下 友徳