News

ジャイアンツの強打の裏にメジャー式練習。打撃練習から見つかった常勝軍団の工夫

2020.02.08

ジャイアンツの強打の裏にメジャー式練習。打撃練習から見つかった常勝軍団の工夫 | 高校野球ドットコム
実際に水道管のパイプを使う松原聖弥選手

 原辰徳監督が復帰してすぐにセ・リーグを制したジャイアンツ。坂本勇人丸佳浩亀井善行などの豊富なタレントたちを擁する打線。さらにセ・リーグ1位の防御率3.79の菅野智之ら投手陣で優勝を成し遂げることが出来た。しかし日本一には届かず、2020年はセ・リーグ連覇、そして悲願の日本一が期待される。そんなジャイアンツの宮崎キャンプの練習を見ていると、見たことのない練習道具があった。

 その道具は細長く、振れば少ししなる黒い棒。4か所のフリー打撃の横に設置されたロングティーの場所で打つ前に、ミートポイントまで黒い棒をトップから振って止める。それを繰り返してから、選手たちはロングティーを打つ。この棒は何なのか。すると、ティーを上げていた後藤孝志野手総合コーチが「ホームセンターとかで打っている水道管です」と話した。

 これはメジャーでも取り入れられている練習で、大きく分けて2つの効果がある。まず1つが力をどのように発揮するかということ。後藤コーチの話では、インパクト時に最大のパワーをどうやって発揮するか。その方法を全力のスイングを止めることで理解させる、とのことだ。

 そうしてもう1つはヘッドの返し。これは松原聖弥人が「バットを内側から出すことを前提として、インパクトで全力のスイングを止めたことによるしなりで、ヘッドを返す感覚を確かめています」と説明する。

 こうすることで、ボールへ大きな力を伝えること。そしてヘッドを返すことで遠くに飛ばす力を確認している。それがホームセンターで打っている市販のモノで養うことが出来るのだから驚きだ。

 時代の流れに合わせて最新技術が練習に取り込まれるようになり、ひと昔前に比べて効率化が進んでいる。そうした技術を取り入れるのは簡単ではないが、工夫1つで大きな効果を得ることができる。常勝軍団・ジャイアンツの強さの秘密が、違った一面から見えた瞬間だった。

(記事=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.07

シード校の相手が決定、東海大相模、慶應義塾の相手は?8日の神奈川【2024夏の甲子園】

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.07

滋賀大会では日野がサヨナラ勝ち、伊吹はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!