山田哲人(履正社出身)、西川遥輝(智辯和歌山出身)、千賀滉大(蒲郡出身)らを輩出した2010年ドラフト高卒入団組
左から千賀滉大、山田哲人、西川遥輝
今年10年目のシーズンを迎える2010年ドラフト入団組。このドラフトでは早稲田大の斎藤佑樹(北海道日本ハム)、大石達也(元埼玉西武)、福井優也(東北楽天)に注目が集まっていた。
そんななかハズレハズレ1位で東京ヤクルトに指名されたのが、履正社高の山田哲人である。入団後の飛躍はいまさら語るまでもないく、すでに日本を代表する選手と言っても差し支えはないだろう。そんな山田と同じく、このドラフト会議で指名された高卒の選手にはどのような選手がいたのだろうか。少し振り返ってみたい。
野手の出世頭が山田なら、投手の出世頭は千賀滉大(福岡ソフトバンク)だろう。千賀は甲子園を含め全国大会の経験ははなく、育成4位という指名順位が示すようにドラフト時の評価は高くなかった。しかし、2年目に支配下登録を勝ち取ると、そこからまたたく間にチームの柱へと成長。日本代表でも主力となり、昨シーズンは最多奪三振のタイトルを獲得している。
球界を代表する選手に育ったのは、山田と千賀だけではない。野手では西川遥輝(北海道日本ハム2位/智弁和歌山高)、甲斐拓也(福岡ソフトバンク育成6位/楊志館高)も同世代となる。
西川は高卒2年目の2012年に71試合に出場。打率.239(134打数32安打)、7盗塁(盗塁失敗0)ときっかけを掴み、翌年は85試合の出場とステップアップ。そして4年目の2014年には143試合に出場し43盗塁で盗塁王を獲得する。まさにトントン拍子でレギュラーへと成長した。奇しくも山田が大ブレイクを果たした年に、西川も初のタイトルを獲得したのである。
一方の甲斐は山田や西川と比べると頭角を現したのは遅かった。彼らがブレイクを果たした2014年にようやく支配下登録されている。2016年までは少ない出番だったが、2017年に103試合に出場しブレイク。そこからは、「甲斐キャノン」と呼ばれるほどの強肩を武器に日本代表にまで上り詰めている。
その他には後藤駿太(オリックス1位/前橋商)、中谷将大(阪神3位/福岡工大城東高)、牧原大成(福岡ソフトバンク育成5位/熊本城北高)、谷口雄也(北海道日本ハム5位/愛工大名電高)らもこのドラフトで指名されている。山田や西川、甲斐には及ばないものの、一軍の戦力として計算されてきた選手たちだ。
投手ではクローザーとして広島東洋の3連覇に貢献した中崎翔太(広島東宝6位/日南学園高)や、千賀と同じく育成出身の島本浩也(阪神育成2位/福知山成美高)が同世代の高卒組となる。野手に比べると少し活躍者の数は少ないかもしれない。
2010年のドラフトで入団した彼らはすでに9シーズンを終えたことになり、チーム内でも若手から中堅へと立場が変わってきた。多くの場合、新人や若手の指南役も徐々に担っていかねばならない年齢でもある。10年目という節目である今年、成績だけでなくその他の立ち振る舞いや言動にも注目していきたい。
【2010年ドラフト会議で指名された高卒選手】
※育成は支配下登録された選手のみ
<ソフトバンク>
1位:山下斐紹(習志野高)
3位:南貴樹(浦和学院高)
4位:星野大地(岡山東商)
5位:坂田将人(祐誠高)
育4位:千賀滉大(蒲郡高)
育5位:牧原大成(熊本城北高)
育6位:甲斐拓也(楊志館高)
<中日>
2位:吉川大幾(PL学園高)
5位:関啓扶(菰野高)
<阪神>
2位:一二三慎太(東海大相模高)
3位:中谷将大(福岡工大城東高)
4位:岩本輝(南陽工)
育2位:島本浩也(福知山成美高)
<巨人>
2位:宮國椋丞(糸満高)
3位:田中太一(大分工)
<日本ハム>
2位:西川遥輝(智弁和歌山高)
5位:谷口雄也(愛工大名電高)
<ヤクルト>
1位:山田哲人(履正社高)
3位:西田明央(北照高)
4位:又野知弥(北照高)
<オリックス>
1位:後藤駿太(前橋商)
2位:三ツ俣大樹(修徳高)
4位:塚原頌平(つくば秀英高)
<広島>
5位:磯村嘉孝(中京大中京高)
6位:中崎翔太(日南学園高)
<楽天>
4位:榎本葵(九州国際大付属高)
5位:勧野甲輝(PL学園高)
<横浜>
指名なし
(記事:勝田聡)
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