生駒vs香芝
榎の投打に渡る活躍で生駒がコールド勝ち
最速142㎞/h右腕/
榎健吾
生駒の先発は最速142㎞/h右腕の榎健吾(3年)。「変化球から序盤から浮いていて、思い通りの投球ができなかった」と話しながらも、回転数の多いストレートにスライダー、カットボール、カーブを織り交ぜ、3回まで一人のランナーを出さない完璧な投球を見せる。
打撃でも榎は躍動した。1回裏に一死三塁で3番の榎に打席が回ると、「最近、調子が良くなかったので、来たボールを振ろうという意識でした」とフルカウントからのボールをセンター前に弾き返し、先制点を挙げる。「守備でリズムを掴んで、攻撃に上手くつながったかなと思います」(北野定雄監督)と榎の投打に渡る活躍で生駒が試合の流れを掴んだ。
生駒はその後も5番・吉村有生(2年)で追加点を挙げると、3回裏にも二死一、三塁から6番・脇田充紀(3年)の適時三塁打で2点を追加。5回に2点、6回にも1点を加え、7回表を無失点に抑えれば、コールド勝ちという状況まで持ってきた。
しかし、7回表にコールド負けを阻止したい香芝が意地を見せる。代打・小牟田剛志(3年)と4番・井川定孝(3年)の連打で無死一、三塁とすると、途中出場の萩原駿志(3年)の右前適時打で1点を返した。ここで榎はマウンドを降りて、左翼手に回ったが、2番手で登板した黒田洋平(2年)が続くピンチを凌いで、香芝の反撃を1点にとどめる。
試合の流れを手放さなかった生駒は7回裏にも二死二塁のチャンスを作ると、8番・土坂勝紀(3年)が左前適時打で再び7点差となり、コールドゲームが成立。2回戦進出を決めた。
2回戦では秋の近畿王者である天理と対戦する。「みんな楽しみにしています。私学と対戦するほど楽しいことはないですから。ずっと言っている心穏やかにいつも通りということを心がけていきたいです」と北野監督は名門との対戦を楽しみにしている様子だった。
(記事=馬場遼)