広島のルーキーでは松本がチーム2位の50試合に登板
智辯学園時代の松本 竜也
プロ野球は公式戦の全日程、そしてドラフト会議も終了した。11月からは秋季キャンプで来シーズンへ向けたトレーニングが始まる。昨年のドラフト会議で指名を受けた今シーズンのルーキーたちも春からは“先輩”となる。さて、各球団のルーキーたちはどのような1年だったのだろうか。その成績を振り返ってみたい。
広島は7人のルーキー(支配下)のうち5人が大学生と社会人出身の即戦力候補だった。投手はドラフト1位の黒原 拓未投手(智辯和歌山出身)、同2位の森 翔平投手(鳥取商出身)、同5位の松本 竜也投手(智辯学園出身)と3人いた。
なかでも松本はチーム2位の50試合に登板。序盤は打ち込まれるシーンもあったが、9月以降は11試合の登板で11.2回を投げ失点はわずかに1。2勝1ホールドと結果を出した。
森は、序盤は中継ぎで起用されるも9月以降は3試合の登板のうち先発が2試合。その2試合とも5回を投げきり1失点以下と安定した投球を見せた。フェニックスリーグでも先発として起用されており、来シーズンは開幕ローテーション入りが目標となる。
一方で黒原は開幕1軍入りをつかむも12試合の登板で防御率6.52。5月5日に登録を抹消されてからは1軍、2軍ともに登板はなかった。
野手ではドラフト3位の中村 健人外野手(中京大中京出身)と同6位の末包 昇大外野手(高松商出身)の社会人コンビがそれぞれ1軍デビューを果たしている。
なかでも末包は開幕スタメンを勝ち取ると猛打賞を達成。序盤はスタメンでの起用機会も多かったが、5月以降は調子を落とし5月23日に登録を抹消された。その後、夏場に昇格を果たすも5試合に出場したのみで再び降格。1年目は31試合の出場にとどまった。
一方の中村はスタメン、代打、守備固め、代走と起用法は様々で、末包を上回る63試合に出場。3本塁打を放った。
ドラフト4位の田村 俊介外野手(愛工大名電出身)と同7位の高木 翔斗捕手(県立岐阜商出身)はいずれも2軍で汗を流した。来シーズン以降の1軍デビューを目指すことになる。
<ルーキー成績>
※育成選手は支配下登録された選手のみ
1位:黒原 拓未(関西学院大/投手)
[1軍]12試合(9.2回) 0勝0敗1H 防御率6.52
[2軍]出場なし
2位:森 翔平(三菱重工West/投手)
[1軍]8試合(19回) 1勝0敗1H 防御率1.89
[2軍]13試合(75.1回) 4勝3敗 防御率2.75
3位:中村 健人(トヨタ自動車/外野手)
[1軍]63試合 打率.240(121打数29安打) 3本塁打 10打点
[2軍]28試合 打率.258(93打数24安打) 3本塁打 8打点
4位:田村 俊介(愛工大名電/外野手)
[1軍]出場なし
[2軍]43試合 打率.185(130打数24安打) 0本塁打 11打点
5位:松本 竜也(ホンダ鈴鹿/投手)
[1軍]50試合(55.2回) 4勝2敗4H 防御率3.56
[2軍]3試合(4回) 0勝0敗1S 防御率0.00
6位:末包 昇大(大阪ガス/外野手)
[1軍]31試合 打率.299(77打数23安打) 2本塁打 14打点
[2軍]51試合 打率.226(159打数36安打) 6本塁打 14打点
7位:高木 翔斗(県立岐阜商/捕手)
[1軍]出場なし
[2軍]22試合 打率.118(34打数4安打) 0本塁打 1打点
※2022年シーズン終了時点
(記事=勝田 聡)