アスリートを支える果物
果物は一日2つを目安に毎日食べるようにしよう
日頃からハードに練習をしている選手の皆さんは、コンディションを整えるための「休養」や「栄養」の大切さは毎日身をもって実感しているのではないでしょうか。休養が不足すると体の調子が上がらないと感じることがあるでしょうし、栄養が不足すると試合の後半にバテてしまったり、精彩を欠くプレーが見られたりするかもしれません。練習やトレーニング同様、休養、栄養のバランスが整ってこそ、より良いコンディションを保つことができます。
栄養面では体のもととなるタンパク質や、体を動かすエネルギー源として大切な糖質(炭水化物)はその重要性が広く知られるようになってきましたが、体の調子を整えるためのミネラル分、ビタミンについてはまだまだ不足しがちではないでしょうか。「お肉は大好き」でも、付け合わせの野菜には手をつけない、果物をとるのは補食のバナナだけ…という選手もいると思います。特に果物は「食後」「デザート」といった印象が強いため、意識して食べようと思わない限り、食べる機会が極端に少ないかもしれませんね。
果物の良い点は火を通さずフレッシュな状態で食べられるものが多く、加熱によって壊れやすいビタミンCなどをとりやすいということや、エネルギー源である糖質(=主に果糖)も一緒にとることができるという点です。また果物の中には抗酸化物質であるポリフェノールを多く含むものもあり、疲労回復をうながし、抗炎症作用によって筋肉痛を和らげることが期待できます。農林水産省「食事バランスガイド」によると、1日200gの果物を摂ること(果物2つ分)が推奨されています。みかんやバナナなど比較的小さい果物は「1個=1つ分」、りんご、梨、桃、ぶどうなど比較的大きい果物は「1個=2つ分」として数えます。果物を1日200gとるために、手軽にできそうなものをいくつか挙げてみましょう。
《果物2つ分》
・朝食と練習前の補食としてバナナをそれぞれ1本ずつ食べる
・自宅からミカンを2個持参し、お昼のお弁当時間と、練習前後の補食として食べる
・リンゴ1個を持参し、練習前の補食として丸かじりする
・朝食と夕食時にブドウを半分ずつ食べる、イチゴであれば7個ずつ(大きさにもよる)食べる
この他にも朝食にタンパク質を多く含むギリシャヨーグルトにカットした果物(キウイ、バナナ、りんご)、はちみつなどをあわせて食べるとタンパク質とともにビタミン・ミネラル・糖質もとることができます。皮をむく手間が少ないものを中心に挙げてみましたが、「これならできそう」というものがあれば、ぜひ今日から実践してみましょう。またそれぞれの果物によっても含まれている栄養素は変わりますので、季節に合わせてさまざまな果物をとるように心がけましょう。
参考PDF)農林水産省「食事バランスガイド」
文:西村 典子
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