【沖縄大会展望】頭一つ抜けた沖縄尚学を追う学校は?快進撃を見せた宮古にも注目【後編】
東恩納 蒼(沖縄尚学)
トーナメント表
・沖縄県大会の組み合わせ
大会の詳細・応援メッセージ
・第105回 全国高等学校野球選手権記念沖縄大会
6月17日から開幕する第105回沖縄大会。後編では、沖縄尚学が属するブロックなどを見ていく。
A、Bブロックの展望はこちらから!
沖縄尚学を下した春王者・日本ウェルネス沖縄、甲子園狙う興南など戦国沖縄は熱戦に期待
Cブロックの展望
東恩納 蒼(沖縄尚学)
第95回選抜高校野球大会ベスト16で、22年秋の第151回九州地区高校野球大会優勝の沖縄尚学が頭一つ抜き出るCブロック。
昨年秋の県大会を制し、その勢いをさらに加速させて九州地区高校野球大会で優勝した。第53回明治神宮野球大会では9回、仙台育英(宮城)にまさかの大逆転を許してしまったが、選抜高校野球大会では大垣日大(岐阜)、クラーク記念国際(北海道)に勝利。敗れはしたが、東海大菅生(東京)戦では1失点のみだった。
投手陣では長身の儀部 皓太朗投手(3年)が着実に経験を積み、昨年よりは計算できるようになってきたが、やはり頼みはエースの東恩納 蒼投手(3年)。九州、明治神宮、センバツと大舞台で全国の強豪校を相手に投げ勝ってきた経験と自信から醸し出す雰囲気は、まるで2008年のソフトバンク・東浜 巨投手(沖縄尚学出身)を思い起こさせる。
チャレンジマッチで日本ウェルネス沖縄の安里 幸大投手(3年)相手に9回2得点、招待試合で中京大中京(愛知)の中井 遥次郎投手(2年)に7回4安打1得点と苦しんだ打線は、いい意味で自分たちは、まだまだだと思えたのではないだろうか。センバツでの大会1号満塁弾を放った4番・仲田 侑仁内野手(3年)、昨年秋の驚異的な打率を誇った1番・知花 慎之助外野手(3年)を中心とした強力打線は、過去の先輩たちにも引けを取らない能力なのは明らか。もう1度基本に戻って出直してくる夏になれば自ずと結果はついてくる。
対抗一番手は質の高い直球を放るエース依田 龍斗投手(3年)と、興南戦で8得点をマークした打線が自慢の未来沖縄と、1年生中央大会優勝で自信をつかみ、春の大会で日本ウェルネス沖縄と互角の勝負を演じたエナジックの私学2校か。そのどちらも沖縄尚学を倒す潜在能力はあるだけに、東恩納や仲田らとしても、うかうかしていられないのが本音だろう。
中部地区高校野球大会で優勝した与勝も面白い。商業高校野球大会準優勝の那覇商や、春の大会で宜野座に1点差ゲームのコザらも、虎視眈々と上位進出を目論む。
Dブロックの展望
新里 竜正(宮古)
春の大会初戦から4試合連続2ケタ安打の猛攻で波に乗り、決勝進出を果たした沖縄宮古がシードのDブロック。中京大中京(招待試合)との戦いでは友利 洸星投手、花城 駿投手、新里 竜正投手のリレーで中京大中京打線を3点に抑えている。また中京大中京の祝 昂輝投手(3年)から下地将が三塁打を放つなど2対3と互角の勝負を見せた。
春県大会の初戦は連合校が相手とあって、28対0と圧倒的な数字を残しているが、そのゲームを除く決勝までの5試合のチーム打率が.318(初戦の24安打を含むと.371)となり、日本ウェルネス沖縄や西原を上回る。小禄戦、嘉手納戦のように僅差のゲームもものにする勝負強さもあり、このブロックでは頭一つ出ていると言えるだろう。
ここに八重山、八重山農林、八重山商工と八重山全3校が固まる珍しい組み合わせとなった。日頃の島での練習試合で嫌というほど互いを知り尽くしており、何がなんでも勝ち上がるぞという意気込みもプラスとなろう。その八重山勢に対し、普天間、知念、そして春県大会ベスト8の名護が壁となるか。力をつけている那覇国際や美里も面白い存在。その中でも一番のダークホースが宜野湾か。
昨年秋、そして今年の春と成績は思わしくないが、前チームが昨年夏の選手権沖縄大会でベスト8入りしており、過去には嘉手納を夏の甲子園に導いたように、夏に仕上げてくる大蔵監督の手腕は、沖縄宮古にとってより一層気を引き締める要因となるに違いない。
(文=當山 雅通)