【四国】高松商、33年ぶりの決勝進出の立役者は茨城の強豪シニア出身の1年生右腕!<春季地区大会>
高松商 2番手で公式戦デビューを果たした相内 奏(1年)
4月28日(日)に愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた令和6年度春季四国地区高等学校野球大会準決勝第2試合では、1回戦で徳島商(徳島2位)打線に対し3投手の継投策で3対2と競り勝った高松商(香川1位)と、同じく1回戦で7回裏に一挙5点を奪い松山商(愛媛1位)に7対0でコールド勝ちを収めたセンバツ出場校・高知(高知2位)が激突した。
試合は高知先発の最速148キロ右腕・平 悠真(3年)に対し、4回裏まで無安打に封じられていた高松商が、5回二死満塁から2番・山田 圭介内野手(3年)の3点二塁打などで4対2とリードし7回表へ。ここで高松商・長尾 健司監督は大会前から「多少無理してでも登板させたい」と言っていた期待の1年生右腕を2番手としてマウンドへ送った。
背番号19を付けた彼の名は相内 奏投手(あいうち そう・1年)。茨城・取手リトルシニアでは途中右ひじを痛めるも、3年夏にはジャイアンツカップカップにも登板。中学指導者からの薦めと「浅野 翔吾外野手(巨人)が甲子園でプレーしているのを見てあこがれた」という理由から、2020年度より香川県教育委員会がすべての県立公立高校に導入した「せとうち留学制度」を利用し入学。練習試合で好投を続け四国大会でのベンチ入りを勝ち取った。
相内は周囲の期待に違わぬナイスピッチングを披露する。自己最速を2キロ更新する136キロのストレートと100キロ台のカーブ、120キロ前後のチェンジアップを駆使しまずは先頭打者を空振り三振に。続く9番・片井 翔大(2年)には二塁打を浴び、さらに暴投で一死三塁のピンチを背負った後も強気の投球で1、2番を三塁フライ、一塁ゴロに打ち取った。「しびれる場面でいい経験をした」と指揮官を大いに喜ばせ、33年ぶり11度目の春季四国大会決勝戦進出への貢献度は大だった。
試合後は、「チームのためにできることを頑張りたい」と殊勝なコメントを残す一方、将来の目標については「エースになって甲子園に出て活躍したいし、150キロを出して仲間に信頼できる投手になりたい」とはっきりと口にした相内。181センチ74キロと体格にも恵まれている可能性無限大のルーキー右腕は、33年ぶり8度目の栄冠を目指す尽誠学園との決勝戦でも全力でマウンドへ上がる準備を備えていく。
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