花咲徳栄(埼玉)編「今年の甲子園制覇を達成した花咲徳栄のつながり!」
左から大瀧 愛斗、高橋昂也 (花咲徳栄)
夏の甲子園は2015年から3年連続出場となった今年の花咲徳栄は、ご存知の通り夏の頂点に立った。春は4回、夏は5回の計9回、甲子園の舞台に立った花咲徳栄は、近年ますます優秀な人材をプロ・大学・社会人といったステージに送り込んでいる。そんな花咲徳栄の全国での戦いぶり、卒業生を紹介する。
夏は3年連続出場!そして今年の夏は…。
花咲徳栄が今年の頂点を獲るまでの軌跡を振り返っていく。まずは2015年の夏。初戦の三沢商を大差で下し、次戦の鶴岡東は一転して1対0の完封勝利。
そうして迎えた準々決勝は小笠原 慎之介(現・中日)がエースとして君臨した東海大相模との対戦。この日の相手先発・小笠原との2枚看板を組んでいた吉田 凌(現・オリックス)から3点を奪うも、5回途中から登板した小笠原からは得点を奪えず、当時2年だった高橋 昂也が終盤に追いつかれ、9回裏に杉崎 成輝(現・東海大)に左越え二塁打を浴び、悔しいサヨナラ負けを喫した。
2016年夏は、高橋 昂也が3年生エースとなりチームを牽引。当時2年の西川 愛也は4番に座っていた。
甲子園の1回戦では大曲工、2回戦では樟南を下し、次の相手は作新学院。花咲徳栄はこちらも当時2年だった綱脇 慧が先発するも、序盤に5失点。清水 達也へ継投し、4回からは高橋がマウンドに上がり8回のソロ1本のみに抑えたが、作新学院・今井 達也(現・西武)の自慢のカットボールに翻弄され、序盤の得点を返すことが出来ず敗戦。
ご存知の通り、作新学院はこの後優勝旗を手にすることになる。
そうして迎えた今年の夏は、埼玉大会決勝でライバル浦和学院を倒し、甲子園出場。前年の甲子園を経験した、綱脇―清水の盤石継投と、「ハンマートレーニング」で鍛え上げた長打力で相手を圧倒。開星、日本航空石川、前橋育英、盛岡大附といった名門校を次々撃破していく。
準決勝では、西東京大会で日大三と早稲田実業を下し、全国の舞台でも上へ駆け上がってきた東海大菅生を、延長にもつれ込む激闘の末に退け、決勝戦進出。そして決勝では甲子園本塁打数記録を更新した、中村 奨成を擁する広陵に引導を渡し、圧巻の優勝を果たした。
高橋 昂也、清水 達也、綱脇 慧といった好投手を生み続ける花咲徳栄には、体系化された投手育成メソッドが存在する。(詳しくは野球部訪問へ)このような、独特なトレーニングメニューが花咲徳栄の選手育成の一つの特徴だ。
例えば野手陣でいえば長打力特化戦略としての「ハンマートレーニング」が話題になったが、投手陣は冬に専用の朝練メニューが課される。
朝6時から、土が凍ったグラウンドで、手押し車でダイヤモンドを周回したり、これもまた独自メニューの「綱のぼり」をしたり、といった基礎トレーニングを行う。厳しかった冬の思い出について清水・綱脇両投手にそれぞれ伺った際、揃ってこの朝練のことを挙げたことが印象的だった。
そんな厳しい練習を経て全国制覇を成し遂げた彼ら。清水・綱脇・西川の3選手はプロの世界へと足を踏み入れる意志を固めた。実力は十分。10月26日、彼らのもとに吉報が届くことを願いたい。
[page_break:近年の卒業生]近年の卒業生
広島に進んだ高橋 昂也や、オリックスには若月 健矢、岡崎 大輔。西武には大瀧 愛斗(登録名は 愛斗)と、ますますプロの道に進む選手が増えつつある花咲徳栄。今まで6人の選手を輩出しているが、今年はその数をさらに増やすことになりそうだ。
■2012年卒
・大塚 健太朗(明治大-三菱重工名古屋-オールフロンティア)
・北川 大翔(創価大)
■2014年卒
・関口 明大(青山学院大-徳島インディゴソックス)
・楠本 泰史(東北福祉大)
・若月 健矢(オリックス・バファローズ)
■2015年卒
・井上 祐太(中部学院大)
・高杯 翼(中部学院大)
■2016年卒
・太田幸成(上武大)
・里見治紀(東北福祉大)
・久々宇竜也(上武大)
・大瀧 愛斗(埼玉西武ライオンズ)
・笹谷拓海(平成国際大)
・鎌倉 知也 (平成国際大)
■2017年卒
・高橋 昂也(広島東洋カープ)
・野本真康(平成国際大)
・楠本晃希(東北福祉大)
・高橋哉貴(城西国際大)
・岡崎 大輔(オリックス・バファローズ)
・山本優也(金沢学院大)
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