西武の先発ローテを争う今井達也 球速アップにつながった改良フォーム
西武・今井達也
2022年の高校野球を沸かせた近江・山田 陽翔投手(3年)を指名するなど、松井稼頭央新監督のもとで2023年シーズンに向かっている西武。絶対的セットアッパー・平良海馬投手(八重山商工出身)が先発転向することが報じられ、先発投手のローテーション争いが過熱しそうな様相となっている。
背番号48に変えて、プロ7年目となる2023年に向かおうとしている今井達也投手(作新学院出身)は、先発争いの渦中にいる1人だ。150キロを超える快速球を武器に、2022年は5勝をマーク。また、ここまでのキャリアで28勝27敗となっており、2桁勝利は未だ達成したことはない。2015年の甲子園優勝投手としては、悔しい結果だろう。
その一方で、自慢のストレートは確実に成長しており、多くのメディアからも注目されているのも事実だ。作新学院からいかにして伸ばしてきたのか。2日に開催されたミズノブランドアンバサダーズ会議に出席した今井に話を聞かせてもらった。
「一番は自分に合ったトレーニングをすることですね。あとは速球を投げられる選手は、『どうして投げられるのか』と考えることです。映像を見比べて、『こんな投手になりたい』と考えながら、自分と比較してやってきたから、球速が伸びましたので」
ウエイトトレーニングはもちろんだが、「目一杯、全身を使って投げつつも、地面反力をもらって自分の体を効率よく使うのか」ということも駆使して、球速を伸ばしてきた。加えて今井の場合は「メジャーリーグなどアメリカ人投手のフォームを見て、『こんな動きがあるのか』と勉強させてもらいました」と体格の違いは関係なく、学べる存在からは積極的に吸収してきたようだ。
作新学院時代も徐々に力を付けていき、最後の夏にエースとして一気に大ブレーク。U-18代表入りなど、文句なしの世代を代表する投手として、ドラフト1位指名を受けた。先発ローテーション争いは激しさを増すが、甲子園優勝投手として、負けるわけにはいかない。
表情はクールだが、心の内では闘争心を燃やす。そんな印象があった今井。背番号48に代わる2023年シーズンに飛躍することを楽しみにしたい。