野球と四股踏み
股関節の柔軟性や体幹・下肢の筋力強化に「四股踏み」を取り入れてみよう
野球に限らずスポーツの動作では、股関節の柔軟性がパフォーマンスに大きく影響を及ぼすことが多いと考えられます。ところが最近では股関節の硬さが目立つ選手も少なくありません。骨や筋肉が成長する時期はどうしても体の柔軟性は硬くなりがちですが、一方で生活習慣が変化し、和式トイレを使えないという選手も増えています。股関節周辺部の硬さを改善するためにはストレッチを行うことはもちろんですが、相撲力士が行う「四股(しこ)踏み」なども適していると考えられます。
四股踏みを行うためにはまず「股割り」の姿勢が大事になってきます。お尻を突き出して頭だけ低くする姿勢をとる選手もいますが、まずは太ももが地面と並行になるくらいまでしっかりと腰を落とした状態を保持できるようにしましょう。スクワットにおいても股関節が十分に屈曲しないと正しい動作につながりません。つま先をやや外に開いた状態で腰を落とし、できれば他の選手とお互いの姿勢をチェックしあうようにしましょう。
四股踏みの方法としては、
1)背中が丸まらないように注意しながら股割りを行う
2)足を上げる前に軸足に体重をのせる
3)そこから足を上げていく(軸足の股関節に乗るイメージ)。
4)軸足の膝の上に頭の位置がきたところで一度静止し、上げていた足を地面に落ろす
5)同じ要領で反対側も行う
四股踏みの姿勢を行うと体幹周辺部の筋肉や、腿を上げるために必要な腸腰筋、さらには臀部、大腿部(太ももの前後)の筋肉の強化につながります。さらに股関節の柔軟性も改善されるので、トレーニングとしてもストレッチとしても非常に効果的なエクササイズの一つであるといえるでしょう。股関節周辺部の動きをよくし、パフォーマンスのレベルアップとしてもぜひチャレンジしてみてください。
文:西村 典子
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