市立尼崎vs福崎
今大会初登板の辻井亮汰が14奪三振の完封劇!市立尼崎が4回戦に進出!
大会10日目の[stadium]淡路佐野運動公園第一野球場[/stadium]の第二試合に登場したのは、ともに3日前に9得点を奪って初戦を突破し、3回戦進出を果たした福崎と第2シードの市立尼崎だ。
福崎の先発投手は15日の相生戦で3安打2失点の完投勝利を収めた、エース・田村祥太郎(3年生)。後攻の市立尼崎が先発マウンドに送り出したのは今大会初登板となる背番号11の2年生右腕・辻井亮汰。この日、梅雨明けが発表された近畿地方。真夏の日差しがじりじりと照り付ける好天の下、午後13時15分、試合は始まった。
2回裏、市尼崎は15日の試合で本塁打を放った先頭の4番・藤井倭(3年生)が敵失で出塁。5番・辻井の送りバントで二塁へ進塁後、6番・前田大輝主将(3年生)が一塁後方へポトリと落ちる内野安打を放ち、一死一、二塁の好機を作る。7番・谷尻尚紀(2年生)は三塁ファウルフライに倒れるも、8番・春田真宗(3年生)が右前へ痛烈なライナーをはじき返し、二塁走者の藤井が生還。1点を先制する。
市立尼崎は6回裏にも先頭の殿谷小次郎(2年生)が四球で出塁すると、ボーク、送りバントで一死三塁の追加点のチャンスを作る。この場面、福崎内野陣の守備体系は前進守備。3番・三浦良裕(2年生)はセカンドゴロに倒れ、二死三塁となるが、4番・藤井が四球。続く、5番・辻井がレフトのライン際へ放った飛球にレフトの上野天士郎外野手が追いつきながらも落球。2者が生還し、市立尼崎が貴重な追加点を奪う。
市立尼崎の先発・辻井は、伸びのあるストレートとキレ味抜群のスライダーを軸に福崎打線から三振の山を築きながら、終始、テンポのいい投球を展開。3点のリードをそのまま守り切り、チームを4回戦進出に導く完封勝利を収めた。与えた四球はわずか1つ。奪三振は14個を数えた。
3回敗退となった福崎だが、積極果敢に打っていく力強い打撃には目を見張るものがあった。辻井に浴びせた安打数は市立尼崎の倍となる8本。3回には二死二、三塁、9回には一死二、三塁の好機を作ったが、あと一本が出なかった。先発の田村は持ち味である緩急を駆使した、打たせて取る投球を展開。市立尼崎打線のタイミングを巧みに外し続けたテクニックは秀逸だった。3失点はいずれも失策絡み。勝敗はどちらに転んでも不思議ではなかった。
市立尼崎の次戦は21日、場所は[stadium]ほっともっとフィールド神戸[/stadium]。この日、宝塚東を7対0(7回コールド)で下したセンバツ出場校の長田とベスト16をかけ、対戦する。
(文=服部 健太郎)
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