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チャンピオンキャップで笑顔満開、東京六大学で3連覇の明治大

2023.05.31

チャンピオンキャップで笑顔満開、東京六大学で3連覇の明治大 | 高校野球ドットコム
田中監督を胴上げする明治大ナイン

 能力ある選手が入学を希望し、その才能を4年間でしっかり伸ばす。東京六大学野球リーグで3連覇を果たした明治大は、理想的な好循環で黄金期を迎えている。

 「今年は上田のチームですから。チーム上田がどんな野球を見せてくれるか。私も楽しみにしております」

 春季リーグ開幕の前々日(4月6日)に開催された合同記者会見で、明治大の田中武宏監督は言った。

 上田 希由翔(きゅうと)内野手(4年=愛知産大三河)は1年秋から4番を打つ左のスラッガー。春秋連覇した昨年はともにベストナインにも選ばれた。一方、ふだんは無口で性格はおとなしい。そんな上田に覚悟を促し、発破をかけるような発言だった。

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上田 希由翔主将と飯森 太慈外野手

 リーグ戦が始まると目立ったのが、仲間に積極的に声をかける上田主将の姿だ。重責から自らの成績が落ちる主将も多い中、打率3割7分2厘、3本塁打と、4番打者としてもチームを引っ張った。打点は12で、4季連続で2ケタとなった。

 投手陣ではエースの村田 賢一投手(4年=春日部共栄)が、今季も抜群の安定感を発揮した。山場となった第3、4週の慶應義塾大戦と法政大戦。村田投手は慶応義塾大との1回戦(4月22日)で9回1安打無失点と好投すると(0対0で引き分け)、2日後(24日)の3回戦はリリーフ登板。その翌日(25日)の4回戦は、先発して6回3安打2失点と試合をつくった。

 さらに翌週の法政大戦は2回戦(5月1日)に先発して5安打完封。切れのある直球と多彩な変化球を内外角に投げ分け、相手打線につけ入るスキを与えなかった。

 チーム打率3割1分8厘、チーム防御率1.47は、ともにリーグ1位。投打の柱に導かれ、明治大は盤石な強さを発揮した。

 とくに攻撃陣は4割2分6厘で首位打者の飯森 太慈(たいじ)外野手(3年=佼成学園)を筆頭に打率3割以上が4人。充実期を迎えた上級生に加え、新戦力の対応もあった。慶應義塾大2回戦では内海 優太内野手(1年=広島広陵)、法政大1回戦では木本 圭一内野手(2年=桐蔭学園)が、ともに代打で決勝本塁打を放った。早稲田大1回戦では初スタメンの今井 英寿外野手(2年=松商学園)が4安打4打点と躍動。最終戦の立教大戦では、内海と榊原 七斗外野手(1年=報徳学園)が先発出場し、そろって2安打2打点と活躍した。

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チャンピオンキャップを被り、全員で記念撮影

 育てて勝つ――。学生野球の素晴らしさを体現した明治大。閉会式後には天皇杯とともに記念撮影した。おそろいのチャンピオンキャップをかぶる選手、スタッフたちの表情は、充実感に満ちていた。

 法政大は篠木 健太郎投手(3年=木更津総合)、尾﨑 完太投手(4年=滋賀学園)の右左のエースを擁して勝ち点4の2位。明治大に唯一の黒星をつけた慶応義塾大はリーグ戦を通じて投打があと一息かみ合わず、早稲田大は投手陣が整備できなかった。立教大は2007年春以来のシーズン2勝と苦戦し、開幕週で明治大と接戦を演じた東京大は0勝に終わった。

文=安藤 嘉浩(文化工房)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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