元プロ野球選手・芦沢真矢氏が率いる啓明学園。LINEを武器に不安と戦う日々
写真は2019年4月から
本来であれば各地で春季大会が開催され、大会が佳境に突入しているはずだった。しかし新型コロナウイルスの猛威の影響を受けて、ほとんどの大会は中止。それどころか練習自体も多くの学校が自粛。再開の時を待って球児は自主練習を重ねる日々を送っている。
全国屈指の激戦区・西東京にいる啓明学園でも現在は活動を自粛中。啓明学園は2015年より、東京ヤクルトでのプレーをはじめ、広島カープに横浜ベイスターズでコーチ。さらには四国の独立リーグでは監督を務めるなどの実績を持つ芦沢真矢監督がチームに就任。「人間力野球」を大事にチームを育て上げ、昨夏は佼成学園を破るなどベスト32まで勝ち進んだ。
西東京に現れた新興勢力・啓明学園だが、公立校の動きに合わせて5月末まで自粛となっている。「やっぱり不安はあります」と電話で語ったのは鎌田浩行先生。やはり指導者側も心配は尽きないが、大会開催時期も同時に懸念をしていた。
「身体を動かせても試合勘は取り戻せないですし、いつから練習が再開できるのか。また休校が明けても、いつから活動が再開できるのか。そして大会開催まで、どれくらい期間が残っているのか。先行きが不透明ですので、心配です」
再開した時にどれくらい時間が残っているのか。練習期間を不安視していたが、学校ではオンライン形式で授業を開始が出来るように準備が進んでいる。ただ部活動は再開の目途が立っておらず、先行きが見えない日々が続く。
そんな中で、チームではLINEを駆使してコミュニケーションを取っているところだ。
「以前から監督と選手たちはグループLINEを通じて、技術面の質問などをしていました。私も主将と副主将とは業務連絡などをするために使っておりました。それを活用してコミュニケーションを取っています」
強制ではないが、選手のモチベーションなどを気にかけて連絡を送る。こうすることで何とか選手とのつながりを維持している啓明学園。指導者の中では既に今後の予定を検討しているとのことで、準備は確実に進んでいる。
春にできなかった分を発揮できるか、それは今後の過ごし方にかかっている。
記事:田中 裕毅
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