なかなか聞けないお腹の話 (2)
3月になりました。大会も近づき実践練習も始まっているころでしょうか。
先月から「なかなか聞けないお腹の話」として2回シリーズでお届けしています。後半は「下痢について」です。下痢にならないのが一番ですが、万が一の時は…役立ててくださいね。
下痢って何だろう。
▲ 下痢って何だろう。
下痢とは、便の水分が異常に多い状態をさします。単純に回数が多い柔らかいということではなく、医学的には1回200ml(200g)以上と定義されています。
体の中の水分が排泄されるわけですから、排泄されるものには体内の栄養分や生きるために欠かせない体液も含まれます。(通常は、排泄される前に体内に再吸収されます)そのため、下痢が続くと体力の低下や、体重の減少が見られることがあります。どちらも、スポーツ選手にとっては望ましくないことですね。
体の冷えなどから来るものもありますが、食中毒やウイルス性のもの、強いストレスが原因で起きるものなど、様々なものが原因となり起きています。
食事で気をつけるポイント
▲ 食事で気をつけるポイント
「食物繊維は避ける」
先月の「便秘」の時とは全く逆。食物繊維は、消化は悪いため腸に負担がかかります。腸内で発酵するためお腹にガスがたまりやすくなり、これもまた腸への負担になります。
野菜、海藻、きのこ、豆類、芋類などは避けましょう。
「刺激の強いものを避ける」
腸への刺激になるものは極力避けたいわけですから、辛いものや冷たいもの脂っこいものなどは避けましょう。炭酸飲料も刺激が強いので避けた方がいいです。
冷たいものをどうしても口にしないといけない場合は、できるだけ温めながら口にするようにしてください。
「水分を必ず補給する」
最初に書いたように、下痢になると大量の水分が排泄されるため水分補給が大切です。排泄されるのは体液ですから、同時にナトリウムやカリウムなどのミネラルを補給することも忘れないようにしてください。ひどい時は、もちろんスポーツドリンクでも大丈夫ですが、できるだけ食物から摂取するようにしてください。冷たい飲み物は刺激を与えますから、温かいスープなどがお勧めです。
と、お話してきましたがこれはすべてなってしまった時の対応策。
予防には、日頃のストレスを減らすこと、規則正しい生活、腸内環境を整えることが大切になってきます。どのような生活をしているか振り返り、少しでもお腹に優しい生活を心がけましょう。
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■ 4月の栄養学一口コラムもお楽しみに!